宅建試験で、過去問題の学習は合格への最短ルート。試験問題は毎年一定のパターンで出題される傾向があり、過去問題を徹底的に理解することで、本試験でも高得点を狙うことが可能です。
しかし、ここで重要なのは、単なる「丸暗記」では通用しないことです。問題と答えをそのまま覚えても、本番で類似問題が出題された際に対応できない可能性が高くなります。
合格への近道として特に効果的なのが、4択問題を1問1答形式に分解して学習する方法です。例えば、1つの4択問題から4つの個別の質問を作り出し、それぞれについて「正しい」「間違い」を判断できるようになるまで繰り返し学習します。
分解学習の具体例
宅建業法の問題を例に取ると、「宅建業者の広告規制に関する記述のうち、正しいものはどれか」という4択問題があった場合、以下のように分解します:
これらを個別にマルかバツか?で判断できるようになることで、応用力がつきます。
つまり、過去問がアレンジされて出題されても対応できるようになるということですね。
一問一答で知識を鍛えるなら、アプリを使うのが便利。
この1問1答形式の学習を効率的に行えるアプリやオンライン学習サービスが数多く提供されているんですね。
紙の問題集と違って、以下のようなメリットがあります。
学習効率の向上
1問1答はいわば、マルバツ形式で解いていく問題。「あぁー!今日も勉強しないと…」って重く考える必要もなく、通勤時間にスマホを取り出して、マルバツマルマル…と気軽にできます。
「勉強にとりかかるまで気合が要るんだよな…」という人にも、サッと始められるのがポイント。
スマホで使えるようになっているサービスやアプリを利用するのが手っ取り早いです。
おすすめの学習サービス機能
宅建資格を取る勉強は、小学校~高校でならったような勉強だと成果が出にくい場合が多いです。
つまり、以下の勉強法はダメ。
テキストを読んで基礎知識を身につける
↓
基礎知識がついたかどうか小テストして確認
↓
過去問を解く
もちろん、上記の方法でも合格する人はいるでしょう。しかしこれは、時間がたっぷりあって、勉強が好きな人の勉強方法です。
ぶっちゃけ、「点数さえ取れればそれでいい」というゲスな考えで挑んだほうが合格しやすいです。
「まず、テキストや講義で基本的な知識を身につけよう…」とか考えると、あまりにも膨大な情報量に心が折れてしまうかも知れません。
そこで、以下のように勉強をすすめます。
第1段階:まず過去問に触れる
いきなり直近の過去問50問を解いてみる。
初見だと、問題が何を言っているのかわからなかったり、知らない言葉だらけでまともに解くことはできないでしょう。
でも、カンでも何でもいいから、4択を50問、とりあえず解いて答え合わせします。時間をかけなくてもOK。
確率的に、完全にランダムに選んでも12~13問くらいは正解するはず。
早い段階で、実際の問題にふれるのがポイントです。
決して、「最初からそこそこいい点を取ってやろう…」とスケベ心を出してはいけません。
「知識ない状態でわかるわけないだろう」と開き直って、とにかく解いてみるのです。(カンでもいいので)
けれど、多くの人が「まず勉強してから過去問を解こう…」と考えてしまって、時間を無駄にしてしまいます。
本番の宅建試験で点を取るのが目的です。最初の練習の段階で何点取ろうが、そんなことは宅建合格に何の関係もないのです。
第2段階:過去問解説を読む
いったん、テキトーでもいいから解いた過去問の答え合わせをします。
答え合わせしながら、解説を読みます。
過去問の解説書を一冊買うといいでしょう。
私は3冊ほど買いましたが、以下の問題集が一番良かったです。
著者の中村 喜久夫先生は、宅建試験に受かった人が受ける「法定講習」をやっている人。試験の問題作成に直接関わっているわけではありませんが、そうとう深く研究しているっぽいです。
問題の選択肢ごとに「全部の選択肢が重要」「1,2の選択肢が重要」など、独自の基準で重要度をA、B、C、P(AとBが最重要、Pはあまり深入りしないほうがいい特殊問題)で分類してあります。
はっきり言って、最初の段階では「解説読んでも何言ってるかわかんないや…」という状態だと思います。でも、それでOK。
とにかく問題を解いて答え合わせ居ながら解答を読むということを一回やります。
第3段階:繰り返す
過去問を解いて解説を読んで答え合わせを6年分やります。(宅建過去問は12年分とか入ってるものが多いです)
すると、少なくとも「この言葉、よく出てくるな…」「甲が乙がってよく出てくるよな…」とか、見覚えのあるフレーズがあることに気づくでしょう。
2周目になると、答えがわかっている問題なので、正解率が増えていくはず。
中には解説読んでもワケわからんという問題もありますが、何回か繰り返すと7割位は取れるようになってきます。
もちろん、答えがわかっている過去問に正解したからと言って、何か実力がついたというわけではありませんが、この段階ではそれでいいのです。
過去問の解説で読んだフワッとした知識がなんとなく身についたようなついてないような…そんな段階です。
なお、過去問の4択をずっとやっていても、本番の試験には受かりません。
たまに、「もう過去問全部覚えちゃったから、勉強終わりだな…」とこの段階で試験に挑んで失敗する人がいますが、絶対にやめてください。もったいない。
次の段階が勉強本番と考えましょう。
第4段階:過去問を一問一答で解いてみる
アプリなどを使って、一問一答形式で過去問を解いてみます。
不思議なもので、やったはずの4択が一問一答にバラされていると、不思議なほど覚えていないんですね。
ここからは、問題に対してわからない部分を解説を読んだり、テキストなどを使って調べていきます。
調べた内容はノートにペンでまとめておくのがいいでしょう。私は調べ物はパソコンでまとめるのが好きなのですが、それでも宅建の資格のまとめはノート+ペンが良いです。
というのも、試験当日に自作のノートを会場に持っていって、試験前に読み返すと「ああ、自分はここまでちゃんと勉強したんだな…」ということが実感できて、とても落ち着くんですよね。
第5段階:弱点克服と総仕上げ
アプリなどを使うと、繰り返し間違ってしまう問題や正答率が低いジャンルなどがわかってきます。
最初は、1ミリもわからなかった宅建資格の勉強が、少なくともどこが苦手分野かがわかるようになっているわけですね。
苦手分野を重点的に学習し、全体で95%~98%くらいは正答できるようにします。
なお、過去問には点数を下げるためだけに用意された超難問が1~2問は必ず入っているので、100%正答できなくても大丈夫です。そういう超難問は苦労して覚えても2度と出題されないことが多いです。
一問一答の正解率が上がると、4択が簡単に解けるようになります。なぜなら、「正しいものはどれか」を特には、正しい選択肢を1つ知っているか、もしくは誤っている選択肢を3つ知っていれば解けるからです。
本番の試験でも、一問一答形式にされたら解けないけど、4択だったら解けるという問題が多く出題されます。
過去問を重点的に学習することで、実際の試験では40点~43点くらいは取れるようになります。
民法など、過去問に一切出てこなかった未知の問題が7~8問くらいは出題されるのですが、未知の問題すべてを落としたとしても合格できるんですね。
なお、LECなどが出している「予想模試」は受けない方がいいと思います。
実際、予想模試って面白いくらい「当たりません」。実際の試験に出るのは1問か2問。「予想模試で良い点取ったのに落ちた」という人も居るほどです。0円模試とかは、タダで受けさせて「点数悪かったんですか?不安でしょう。こちらの直前対策講座をどうぞ…」とすすめるための商売なんだろうな…と思います。だって、0円模試って、とんでもなく難易度高いんです。
それよりは、未知の過去問を試験と同じ条件で解いてみましょう。例えば、あなたが過去12年分を勉強したとしたら、13年前の過去問を解いてみるのです。
古い過去問は法改正などで一部答えが現在と違っている可能性がありますが、未知の過去問で40~43点取れれば、おそらく本番試験でも同じくらいの点数が取れるはずです。
宅建試験の合格には、継続的な学習と効果的な方法論が不可欠です。アプリやオンラインサービスを活用することで、より効率的に学習を進めることができます。
1問1答形式の学習方法は、一見遠回りに思えるかもしれませんが、確実な理解につながり、応用力も身につきます。デジタルツールを上手に活用しながら、着実に学習を進めていけば、必ず合格への道が開けるはずです。