宅建業法35条1項6号の重要事項説明書と契約書面の違い

宅建業法35条1項6号の重要事項説明書と契約書面の違い

宅建業法35条1項6号に関する重要事項説明書と契約書面の違いについて解説します。これらの書類の役割や記載事項の違いを理解することが、なぜ宅建業務において重要なのでしょうか?

宅建業法35条1項6号について

 

宅建業法35条1項6号のポイント

📄

重要事項説明書

 

取引前に交付・説明が必要

🏠

対象物件

 

宅地・建物の売買・交換・貸借

✍️

記載事項

 

法令で定められた重要事項

宅地建物取引業法第35条第1項第6号は、宅地建物取引業者が取引の相手方に対して行わなければならない重要事項の説明に関する規定です。この条項は、取引の安全と公正を確保するために設けられた重要な規定の一つです。

 

具体的には、宅地または建物の売買、交換、または貸借の契約が成立するまでの間に、取引の相手方に対して、取引物件に関する重要な事項を記載した書面(いわゆる重要事項説明書)を交付し、その内容について説明することを義務付けています。

宅建業法35条1項6号の重要事項説明書の目的

重要事項説明書の主な目的は、取引の相手方(買主や借主)に対して、取引物件に関する重要な情報を事前に提供し、十分な理解を得た上で契約を締結してもらうことです。これにより、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。

 

例えば、物件の権利関係や法令上の制限、周辺環境などの情報を事前に知ることで、買主や借主は自身のニーズに合った物件かどうかを判断することができます。

宅建業法35条1項6号の重要事項説明書の記載事項

重要事項説明書に記載すべき事項は、宅地建物取引業法施行規則第16条の2に詳細に規定されています。主な記載事項には以下のようなものがあります:

  1. 取引物件の所在地、面積、構造、設備等
  2. 登記に関する事項(所有権、抵当権等)
  3. 法令上の制限(都市計画法、建築基準法等)
  4. 私道負担に関する事項
  5. 飲用水、電気、ガスの供給施設及び排水施設の整備状況
  6. 取引条件(代金、借賃、契約の解除に関する事項等)

 

これらの事項を正確に記載し、説明することで、取引の相手方は物件の状況や取引条件を十分に理解した上で契約を締結することができます。

 

宅建業法35条1項6号に基づく重要事項説明書の作成と説明は、宅地建物取引士が行う必要があります。これは、専門的な知識を持つ者が説明を行うことで、より正確で適切な情報提供を確保するためです。

 

 

上記リンクでは、重要事項説明書の具体的な記載例と詳細な解説が提供されています。実務に即した内容となっているため、宅建業法35条1項6号の理解を深める上で非常に参考になります。

宅建業法35条1項6号の重要事項説明書と契約書面の違い

重要事項説明書と契約書面は、しばしば混同されることがありますが、その目的と内容は異なります。以下に主な違いをまとめます:

  1. 交付のタイミング

    • 重要事項説明書:契約締結前
    • 契約書面:契約締結時

  2. 法的根拠

    • 重要事項説明書:宅建業法第35条
    • 契約書面:宅建業法第37条

  3. 主な目的

    • 重要事項説明書:取引物件に関する重要な情報の提供
    • 契約書面:契約内容の明確化と証拠化

  4. 記載内容

    • 重要事項説明書:物件の状況、法令上の制限、取引条件等
    • 契約書面:契約当事者、契約内容、特約事項等

  5. 説明義務

    • 重要事項説明書:宅地建物取引士による説明が必要
    • 契約書面:説明義務はないが、内容の確認は必要

 

これらの違いを理解することで、各書面の役割と重要性をより深く認識することができます。

宅建業法35条1項6号の重要事項説明書作成時の注意点

重要事項説明書を作成する際には、以下の点に特に注意が必要です:

  1. 最新の情報を使用すること
  2. 専門用語は平易な言葉で説明を加えること
  3. 曖昧な表現を避け、具体的に記載すること
  4. 重要な事項の漏れがないか確認すること
  5. 取引の相手方の理解度に応じて説明を調整すること

 

特に、登記情報や法令上の制限については、常に最新の情報を確認することが重要です。これらの情報は日々更新される可能性があるため、説明時点での正確性を確保する必要があります。

 

 

上記リンクでは、重要事項説明書作成時の具体的な注意点や、よくある間違いについて詳しく解説されています。実務に携わる方々にとって、非常に有用な情報源となっています。

宅建業法35条1項6号の重要事項説明書のデジタル化の動向

近年、不動産取引のデジタル化が進む中で、重要事項説明書のオンライン交付や説明が認められるようになりました。2017年10月1日から、国土交通省の社会実験として、ITを活用した重要事項説明(IT重説)が開始され、2021年3月30日に本格運用が開始されました。

 

IT重説のメリットとしては以下のようなものが挙げられます:

  1. 時間と場所の制約がなくなる
  2. 移動コストの削減
  3. 非対面での取引が可能になり、感染症対策にも有効
  4. 説明内容の録画・保存が可能

 

一方で、通信環境の整備や本人確認の方法、セキュリティの確保など、新たな課題も生じています。

 

ITを活用した重要事項説明(国土交通省)

 

上記リンクでは、IT重説の実施方法や留意点、必要な機器等について詳しく解説されています。IT重説の導入を検討している事業者にとって、非常に参考になる情報が掲載されています。

 

以上、宅建業法35条1項6号に関する重要事項説明書について、その目的や内容、契約書面との違い、作成時の注意点、さらにはデジタル化の動向まで幅広く解説しました。これらの知識は、宅地建物取引業に携わる方々にとって非常に重要です。適切な重要事項説明を行うことで、取引の安全性と信頼性を高め、顧客満足度の向上にもつながります。

 

宅建業法35条1項6号の理解を深めることは、単に法令遵守のためだけでなく、プロフェッショナルとしての資質向上にも大きく寄与します。今後も法改正や社会情勢の変化に注目し、常に最新の知識とスキルを身につけていくことが求められます。




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